深夜特急 第1便 - 黄金宮殿
1986年刊行
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深夜特急 第1便 - 黄金宮殿
26歳のある日、ひとりの若者が思い立つ。インドのデリーからロンドンまで、乗合いバスで行ってみよう、と。仕事をすべて投げ出し、ありったけの金をかき集めて旅に出た彼を待ち受けていたのは、香港という街の圧倒的な熱気だった。黄金宮殿と名付けられた奇妙な宿に放り込まれ、雑踏の光と影に引き寄せられるように、気づけば思わぬ長居をしてしまう。続いて訪れたマカオでは、大小と呼ばれるサイコロ博奕に取り憑かれ、ギャンブルの沼へとずぶずぶと沈んでいく。その心理描写の怖さに、読者まで息をのむほどだ。バンコクではなぜか街が心に響かず、鉄道でマレー半島を南下しながら、自分が何を求めているのかを静かに問い続ける。ページをめくるたびに読者もバックパックを背負い、興奮と孤独、自由と不安が混ざり合った旅の真実を追体験する。これはただの旅行記ではなく、自己の物差しを鍛え上げる旅の記録である。
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